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第一痛みのケア

緩和ケアでは、痛みを取り除くことを第一に考えています。
がんに伴うからだの痛みのほとんどは、鎮痛剤を適切に使うことで治すことができます。
痛みを和らげるために必要な量は、痛みの原因や、強さ、鎮痛薬に対する反応の個人差などによって異なるため、患者さんと相談しながら痛みによる生活への影響がなくなる量を調節していきます。
強い痛みがあることで、必要な治療や検査が受けられなくなることもあります。適切に痛みを取り除くことで、患者さんのQOLの向上を目指し、穏やかに過ごしていただけるようにしていきます。

第二痛みのコントロール

痛みのコントロールは、WHO方式がん疼痛治療法と呼ばれるガイドラインにしたがって行います。
この方法では、痛みの強さにしたがって段階的に鎮痛薬や医療用麻薬を使います。
医療用麻薬は、がんの痛みにとても有効な薬ですが、モルヒネなどの医療麻薬に対して、「中毒になる」「寿命が縮む」「最後の手段」といった麻薬中毒のイメージから敬遠され、痛みを我慢している患者さんも少なくなりません。
がんの痛みの治療には、モルヒネなどの医療用麻薬による鎮痛が最も効果的であり、痛みがある状態で使用すると中毒にならないことがわかっています。
医療用麻薬の一般的な副作用として吐き気・嘔吐、眠気やベンチなどがありますが、これらの副作用に対しても、予防や治療ができるので安心して疼痛コントロールを受けることができます。

WHO（世界保健機構）の緩和ケアの定義

第三心の痛みへのケア

がんの診断を受けたり、療養中には下記のような心の病が発生します。

不安や落ち込みは、ある程度は通常の反応ですが、2週間以上に渡り改善せず、日常生活に支障をきたすようであれば、「適応障害」や「うつ病」が考えられ、専門的な治療が必要になります。
ストレスは、体だけでなく心にも影響し、患者さんのQOLを低下させるだけでなく、がんを治そうとする気持ちを喪失させ、ご家族のストレスを高めたりすることもあります。

→改善策

患者さん自身が感じている事を信頼できる方へ話してください。ご家族や知人へ心配をかけたくないのであれば、心のケアを専門とするカウンセラーへ話しをしてください。

その他、不眠を改善する睡眠導入剤の投与、抗うつ剤、抗不安薬などの薬物を投与する薬物療法などでの対処法もございます。これらは医師との相談の上症状に合わせて投薬しております。